鍵となる「中堅社員定着率向上」!成功するオンボーディングの施策
現代の社会において、中堅社員の定着率を向上させることは非常に重要です。中堅社員は企業の成長と持続可能性に直接寄与するため、その離職を防ぎ、エンゲージメントを高めることが求められます。しかし世間では「中堅社員や中間層の離職」に課題を持つ企業が多くあるのも事実です。本稿では、注目される中堅社員へのオンボーディングの施策と、それらが与える影響について解説します。
1.企業成長に寄与する中堅社員
2.中堅社員の離職を防ぐためには
3.オンボーディングの定義と目的
4.中堅社員に求められるオンボーディングとは
5.オンボーディングに取り組む効果
6.まとめ
■企業成長に寄与する中堅社員
中堅社員は企業の成長と持続可能性において非常に重要な存在です。中堅社員は豊富な経験を持ち、業務に対する高い理解を持っています。。加えて企業内や業界のルール、カルチャーに対しても高い理解を身に着けていることが多いです。そのため、新入社員や若手社員の育成においても中心的な役割を果たします。中堅社員が新卒社員や若手社員の自律的成長を促進する仕組みの構築に必要不可欠であり、貢献していると言えるでしょう。
中堅社員が企業に長く在籍し持続的に貢献している、このような育成の風土や環境が整っている企業は、長期的に競争力を維持することができます。中堅社員の知識と経験を新たなプロジェクトや戦略に活かすことで、企業全体のパフォーマンスが向上し、持続可能な成長を実現することができます。
■中堅社員の離職を防ぐためには
中堅社員に限らず、社員の離職は企業にとって大きな問題です。特に中堅社員の離職は、モチベーションの低下や技能継承の停滞を引き起こし、企業の成長を妨げることにつながってしまいます。厚生労働省「令和5年雇用動向調査結果の概況」によると、転職理由として「労働条件」よりも「職場の人間関係が好ましくなかった」「仕事の内容に興味を持てなかった」という理由が多くなっていることが分かります。このような調査結果を受けた上で、企業は離職率の低減を図る必要性を求められています。
中堅社員の離職を防ぎ定着率を上げていくためには、給与や労働時間等の労働条件を改善し働きやすい環境を作るということは最低限必要となりますが、人材配置の最適化、公正な人事制度、自律的なキャリア支援等、一人一人のエンゲージメントを高めるような施策が重要になっています。まさに中堅社員のオンボーディングの必要性が高まっているのです。
■オンボーディングの定義と目的
“オンボーディング”とは、新入社員や中途採用者が組織に早期に適応し、生産性を発揮するための支援プロセスを指します。
一般的なオンボーディングの目的には次のようなものがあります。
・新入社員の不安を和らげる:新しい環境に対する不安を軽減し、早期に安心感を持たせる
・会社文化への理解を深める:企業のビジョンや価値観を共有し、一体感を持って働けるようにする
・即戦力化への道筋をつける:初期の研修や指導を通じて、迅速に業務に慣れ、貢献できる状態に導く
・継続的な成長及び定着率向上を促進する:継続的なサポートやフィードバックを提供し、長期的な成長と高い定着を目指す
■中堅社員に求められるオンボーディングとは
様々な業務経験を経て、業務に関する知識を有している中堅社員は、組織に適応し順応していると考えられるため、オンボーディングという観点で具体的な施策が満足に行われていないというケースは多いです。しかし自身の立場や求められる役割が変化し、一段と高い成長を求められることも多くあるからこそ、中堅社員に対するオンボーディングも重要となってきます。
例えば中堅社員に求められるオンボーディングには例えば次のようなポイントがあります。
①人間関係のケア
上司/部下、先輩/後輩等、様々な立場や周囲に対して多面的な役割を求められるからこそ、人間関係のケアが重要になります。
②期待値やビジョンのすり合わせ
独力で出来る業務が増えてくるからこそ、新しいチャレンジや刺激を求めたい、現状の役割を極めたい等のキャリアに対する欲求が生じ、求める期待値との擦り合わせが必要になってきます。
③学びの体制を整える
必要な研修やカリキュラムを与えるだけではなく、自律的な学びを促進するという施策も必要です。
これらの施策を中堅社員にも取り入れていくことで、定着率が大きく向上し、企業全体の成長にも繋がることが期待できるでしょう。
■オンボーディングに取り組む効果
オンボーディングにはどうしても新入社員や中途社員に対する施策というイメージがありますが、中堅社員に対して改めてオンボーディングを意識することで、様々な効果を期待することができます。
まず中堅社員の定着率向上が実現することにより、「育成」への効果があります。豊富な業務経験と社内風土への高い理解がある中堅社員は、新入社員や中途社員の育成を行う上で中心的な役割が期待できます。知識やスキル、能力や経験を外部人材で補うことはできますが、人間関係やカルチャーへのフィットは短時間で補えるものではありません。
またこのように育成ができる中堅社員が活躍することは、新入社員が安心して働くことができる環境を作り、管理職の負担軽減にもつながります。
中堅社員のオンボーディングは、企業が持続的な成長と発展を目指す上で必要不可欠と言えるでしょう。
■まとめ
中堅社員の定着率向上、オンボーディングに取り組むことは、様々な企業の人事課題解決につながります。中堅社員は業務上のパフォーマンスだけではなく、組織開発や人事戦略上も重要な役割を果たすことを認識した上で、定着率向上のための施策に取り組んでいきましょう。
しかし現実は中堅社員に限らず、新入社員や管理職、若年層やシニア層等、ありとあらゆる属性に対する施策が求められ、理想通りに施策を進められないというお悩みがあるかと思います。
汐留社会保険労務士法人では、このような人事制度の戦略設計や施策・制度検討、またその実行支援まで、豊富な支援実績をもとにご支援をさせていただきますので、経営人事課題の解決にお困りの場合は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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