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令和4年度予算概算要求が発表!令和4年度注目される助成金と動向

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厚生労働省が令和4年度予算概算要求を決定しました。その要求額は過去最高額更新となる33兆9,450億円となり、引き続き新型コロナウイルス感染症の感染状況等が不透明であるため、年末の予算編成で感染症対策の予算も追加される見通しとなっています。概算予算要求の内容から、どのような施策が検討されているか、注目される助成金をご紹介します。最終的な施策は、今後の予算編成過程において変更される可能性がありますが、現時点での情報としてお役立てください。

1.令和4年度の重点要求事項
2.雇用維持、労働移動、人材育成等に向けた支援
3.多様な人材の活躍促進
4.誰もが働きやすい職場づくり
5.まとめ

■令和4年度の重点要求事項

令和4年度予算の重点要求事項として、新型コロナウイルス感染症の対策はもちろんのこと、「ポストコロナの新たな仕組みの構築、少子化、デジタル化の対策」が重点要求ポイントとされています。施策として4つ柱が示されています。

●新型コロナの経験を踏まえた柔軟で強靭な保健・医療・介護の構築

●ポストコロナに向けた「成長と雇用の好循環」の実現

●子どもを産み育てやすい社会の実現

●安心して暮らせる社会の構築

新型コロナウイルス感染症から国民の命、暮らし、雇用を守り、感染症を克服するための施策が中心となっています。これらのポイントから、現制度で行われている施策や助成金がどのように変わっていくのでしょうか。

■雇用維持・労働移動・人材育成等に向けた支援

今年度に引き続き、雇用対策としては「雇用調整助成金」「産業雇用安定助成金」が中心となる見込みです。人手不足分野への円滑な労働移動の推進として、職業訓練による支援や地方への移住等の雇用環境整備とあわせて、介護・障害福祉分野への就労支援も進められていく予定です。「労働移動支援助成金」や「人材確保等支援助成金」等の助成金が、引き続き注目されていくと考えられます。
一方で、雇用調整助成金の支給決定金額が4兆円を超える等、雇用保険財政の逼迫が懸念されています。将来的な雇用保険料引き上げも検討されていますが、雇用の維持・在籍型出向の取組への支援は、年末の予算編成過程で国庫負担を決定するとされており、引き続き動向に注意する必要があります。

■多様な人材の活躍促進

昨年度当初予算額よりは減少しましたが、高年齢労働者の処遇改善を行う企業への支援は予定されており、来年度についても70歳までの就業機会確保等のための環境整備として、「高年齢労働者処遇改善促進助成金」の活用も進められていくと考えられます。コーポレートガバナンス・コード改訂により、中核人材のダイバーシティ推進も注目されていますが、障害者や外国人の就労支援も昨年度と同じくらいの予算要求がされています。令和4年10月より施行され、新たな働き方として注目されている労働者協同組合関係についても新しく予算が追加されています。これらについて、新しい雇用環境整備のための助成金や施策も期待されます。

↓過去コラムで解説しています。
2021年コーポレートガバナンス・コード改訂!人事労務に求められる実務対応とは
新しい働き方?労働者協同組合法が成立!

こちらも昨年度当初予算額より減少となりますが、女性活躍・男性の育児休業取得等の促進の支援も予定されています。令和4年4月からは女性活躍促進に関する一般事業主行動計画義務化対象が拡大され、10月からは産後パパ育休等が施行されることもありますので、「両立支援助成金」が引き続き活用されていくと考えられます。

就職氷河期世代の失業者等を正社員で雇い入れる企業への助成金等の活用については、昨年度当初予算額と比較して1.5倍の予算要求がされており、「特定求職者雇用開発助成金」等のさらなる支援が期待されます。

■誰もが働きやすい職場づくり

非正規雇用労働者の正社員化、処遇改善を行う企業への支援について、昨年度当初予算額よりも減少となり、「キャリアアップ助成金」は正社員化コースの助成対象を「正社員待遇を受ける労働者に転換した場合に絞り込む」等、支援が限定されていく予定です。賃上げ要件以外にも要件が追加される可能性があります。

テレワークの定着・導入促進の予算は減少し、ワークライフバランスを促進する休暇制度、多様な働き方の普及や促進、労働時間を減少させ生産性を高める支援といった方向にシフトしている印象があります。特に勤務間インターバル制度の導入促進については、制度の導入目標が引き上げられたこともあり、昨年度当初予算と比較しても予算要求が増加しています。「働き方改革推進支援助成金」の支援は続いていくものと考えられます。

来年に予定されている中小企業へのハラスメント防止措置義務化や、短時間労働者への社会保険適用対象拡大といった法改正対応の施策も予定されています。特に今年、最低賃金が大幅に引き上げられたこともあり、最低賃金・賃金の引上げに向けた生産性向上等に取り組む企業への支援は、昨年度当初予算額と比較して3倍近い予算要求がされています。「業務改善助成金」がさらに拡充され、賃金引き上げに対応するための生産性向上が加速化していくことが期待できます。

■まとめ

令和4年度予算概算要求の内容から、注目される助成金や動向をご紹介しました。ポストコロナを意識した、新しい雇用の在り方や働き方改革を推進する内容になっていると感じられます。最終的な予算編成はどうなるか分かりませんが、予算概算要求の内容を参考にし、今後の人事施策を戦略的に計画、実行いただければと思います。
助成金の活用や人事施策の検討について、お困りのことがあれば是非お問い合わせください。

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