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どこまでが課税される?テレワークにおける従業員の費用負担について

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新型コロナウイルスの感染拡大は続き、緊急事態宣言の再発令が行われる事態となってしまいました。これを受けてテレワークの本格的な運用や制度化を進め、通勤手当の見直しを含めテレワークにかかる費用負担をルール化される会社も増えてきているかと思います。そこで1月15日に国税庁より、「在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ(源泉所得税関係)」が公表され、テレワークを行う従業員に対して会社が費用負担や補助を行った場合の課税取扱いについて示されています。本稿では、この資料の内容について見ていきたいと思います。

1.資料で示されている内容
2.業務使用部分の清算方法
3.実務上の注意点
4.まとめ

 

■資料で示されている内容

これまでも会社が従業員に対してテレワークに必要な費用負担や備品購入を行った場合は、給与計算でどのような取り扱いをすべきなのか、問題となることは多くありました。この資料が公表されたことにより、一定の範囲で基準が示されたこととなります。

今回この資料で示されているのは次の通りです。それぞれポイントを見ていきます。

1.在宅勤務手当

実費相当額を清算する方法により、従業員に対して支給する一定の金額については、給与として課税する必要はない。
在宅勤務手当としてではなく、在宅勤務に通常必要な費用を清算する方法により、従業員に対して支給する一定の金銭についても、給与として課税する必要はない。

2.在宅勤務に係る事務用品等の支給

会社が所有する事務用品等を従業員に貸与する場合には、給与として課税する必要はない。
従業員に事務用品等を支給した場合(所有権が従業員に移転する場合)は、従業員に対して支給する現物給与として課税する必要がある。従業員が仮払いや立替払いにより購入した後、領収証等を提出して購入費用を清算し、超過分を返還する場合は、給与として課税する必要はない。

3.業務使用部分の清算方法(業務使用部分の計算方法)

・電話料金
・インターネット通信費
・電気料金

在宅勤務に通常必要な費用を清算する方法により、従業員に対して支給する一定の金銭について給与として課税する必要はないが、通信費や電気料金については業務のために使用した部分を合理的に計算し清算する必要がある。

4.レンタルオフィス代等

従業員がレンタルオフィス費用などを仮払いや立替払いし、かつ領収証等を提出して費用が清算、超過分を返還されているものについては、給与として課税する必要はない。

 

■業務使用部分の清算方法

通信費や電気料金については、業務のために使用した部分を計算しなければならず、資料ではその算式も示されています。

 

【算式】

・通信費

従業員が負担した1ヶ月の基本使用料や通信料等×在宅勤務日数割合×1/2

・電気料金

従業員が負担した1ヶ月の基本料金や電気使用料×業務使用分の床面積割合×在宅勤務日数割合×1/2

※電話料金の通話料については、通話明細書等により確認した業務のための通話のみ業務のために使用した部分とし、業務のため通話を頻繁に行う業務(営業担当や出張サポート担当等)に従事する従業員の場合、通信費と同じ算出で求めることが許されている。

 

基本料金のみが対象となり、スマートフォン本体の購入代金やオプション代等は認められないので注意する必要があります。またこの資料においては、水道光熱費や食費等の取扱いについては示されておりません。

 

■実務上の注意点

通信費や電気料金の費用負担について、従業員個人の環境はバラバラで、従業員が負担している費用を把握・管理するのだけでも大変な作業となります。なるべく費用負担や非課税となる範囲が一律になるようにし、基準を定めておくことができれば計算も簡単になります。インターネット回線についてはWifiレンタルを法人契約で提供しプランや料金を限定する、在宅勤務日数については部署や職種で限定し在宅勤務日数が個人毎にバラバラにならないようにする、といった工夫をしておくと制度設計もしやすくなるかと思います。

 

■まとめ

国税庁より公表された在宅勤務に係る費用負担等の取扱いについて、簡単にポイントを見てみました。計算例や詳しい計算方法の内容も資料に記載されておりますので、実務上の取扱いや制度設計に役立てていただき、効果的なテレワーク運用を目指していただければと思います。

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