住民税の督促状が会社に届いた!ときの対応
2019.11.21 労働・雇用関係
11月も気づけば後半になり、朝晩の冷え込みが厳しくなってきました。
マスク姿の方を見かける機会も増えてきましたが、皆様風邪などひかれていませんか。
住民税の督促状が届いたけどどうして?という問い合わせがたまたま続いたので、今回は住民税督促状が届いた際の対応を書いていきたいと思います。
督促状が届いたら?
まずは対象の市区町村に係る特別徴収税額の決定通知書(特別徴収義務者用)を確認しましょう。
督促状に記載された税額と同じ税額の方がいますか?
■在籍社員の中に該当者がいた場合
住民税の納付漏れの可能性が高いです。
督促状に添付された納付書で納付しましょう。その際あらかじめ市区町村の窓口に電話で状況を説明しておくと安心です。
督促状が届いてすぐに対応すれば、延滞金などのペナルティは基本的に回避できます。
合わせて対象月の対象社員の賃金台帳も確認しましょう。
本人からの徴収自体が漏れている可能性もあります。徴収が漏れていた場合、翌月の給与でまとめて天引きするか、別途徴収するか、労働者にお詫びと合わせて確認をしましょう。
■該当者が退職済み社員であった場合
その前に退職社員に対して必要な住民税の手続き3パターンをおさらいしておきます。
【一括徴収】
最後の給与などで、1年間の住民税の残税額をまとめて徴収する方法。
退職日が1月1日から5月31日の場合は、この方法が原則となります。
【特別徴収継続】
転職先がすでに決まっている場合に選ばれます。
転職先で、空白期間を最小限に特別徴収を続けることができます。
手続きとしては、特別徴収継続と記載した住民税異動届を作成し退職者に渡します。
受け取った本人が転職先に提出し、転職先が市区町村に申請してはじめて手続き完了となります。
【普通徴収に切替】
退職後、すぐに他の会社に勤務しない場合などはこの対応となります。
会社が市区町村に異動届を提出し、後日本人の自宅宛に普通徴収用の納付書が送られます。
対象の労働者の退職時はどのパターンでしたか?
■普通徴収だった…
会社側の手続きが漏れていたことが考えられます!
普通徴収切り替えの異動届を市区町村に送りましょう。
手続き後、労働者の自宅に残りの住民税を普通徴収で納付する書類が送られます。手続きが完了するまで労働者が税金を納付できない期間が続きます。手続きが遅れれば遅れるほどに残税額を短い期間で割って支払わなければならないため、退職者の負担感が増してしまいます。クレームに繋がる恐れもあるため、すぐに対応しましょう。
■特別徴収継続だった…
退職者が必要な対応をしていない場合があります!
市区町村に連絡して特別徴収切替の異動届を退職時に渡している旨を伝えます。
市区町村の案内にもよりますが、普通徴収切替として書き直した異動届を市区町村に提出しておわり、となる場合が基本と思われます。
先に記載の通り、転職先の会社が市区町村に異動届を提出してはじめて手続き完了となります。
退職者が転職先に提出していない、転職先が市区町村に提出し忘れているなどの場合、元の会社に督促状が来てしまいます。
退職時に正しい書類対応をしても、このように督促状が来てしまうことがあります。
特別徴収継続を希望された場合は、書類を退職者に渡す際に説明をしっかり行って、その後必要な対応を理解してもらうようにしましょう。
ちなみに冒頭に記載した督促状の問い合わせは、すべてこのパターンでした。
■一括徴収だった…
納付した額と一括徴収すべき額は合っていますか?
一括徴収は複数月分の金額を振込む必要があります。
納入書の金額も会社側で書き直して納付する必要があるため、書き直しを忘れて通常額を振り込んでしまうケースが考えられます。
念の為対象者の最終給与から、一括徴収すべき額が正しく控除されているかも確認しておきましょう。
督促状が届いた場合、すぐに市区町村に連絡をして必要な対応をすることで、延滞金などのペナルティは回避できることがほとんどです。
慌てずにどのパターンなのかを把握して、すぐに必要な対処を行えば問題ありません。
とはいうものの労働者に対して迷惑がかかる案件でもあります。
毎月の納付と入退社時の切替手続きには念入りな確認を心がけ、督促状とは無縁の担当者を目指しましょう!
大熊