ワーケーションの概要から導入に至る注意点まで

みなさま
こんにちは。袴田です。

9月に入り、暑さも少しずつ和らいできてようやく過ごしやすい
日々が到来しましたがいかがお過ごしでしょうか。

5月に緊急事態宣言が解除されましたが、コロナウイルスの収束のめどがまだ
立っておりません。

コロナ禍が続いている中、2020年7月22日よりGo To トラベルキャンペーンがスタートしました。
Go To トラベルキャンペーンの実施に伴い、菅義偉総理大臣が観光と仕事の両立を図る
「ワーケーション」の導入を勧めております。
今回は、「ワーケーション」に関して投稿します。

ワーケーションとは?
英語の「work」と「vacation」を組み合わせた造語で、旅行先で観光等を楽しみつつ
旅行先で仕事もする新たな働き方の1種として注目されています。
緊急事態宣言期間中に、感染拡大防止のため多くの会社がテレワークを実施されていたかと
思います。
「ワーケーション」は在宅勤務とサテライトオフィスワークと異なり、仕事と休暇が「融合している」
ことが特徴的な点です。

導入するメリット
ワーケーションを導入するとどんなメリットがあるのかについて、2つご紹介いたします。

①休暇の取得率Up
日本では、有給休暇が取りにくいというイメージが定着しています。
その理由としては、「上司や同期の仕事がまだ残っているのに、自分が休むのは何か悪い気がする」など
休暇を取得することに対して罪悪感がある
ことに原因があると思います。

2019年4月より、法改正により有給休暇の5日間の取得が義務化されました。
有給休暇を5日間取得できていないと、社員1人につき会社に30万円の罰金が科されてしまいます。
ワーケーションを導入することにより、午前仕事・午後観光という使い方が可能になり休暇の
取得率もあがり、社員にとっても働きやすくなります。

➁人手不足の解消
人材の確保が困難になっている会社にとって、新入社員・中途入社社員が増えないと
在籍している社員に負担がかかり、会社にとっても有数な人材が確保できないまま経営難に陥ることが
予想されます。
ワーケーションの導入により、仕事をしつつ休暇を取得できて観光を楽しめる等求職者にとって
魅力的な福利厚生だと感じ、募集人数が増えることによって会社側・求職者側双方にとってメリットとなります。

導入するには?
ワーケーションを導入するに場合、就業規則にその旨を記載して労働基準監督署に提出する必要があります。
また、就業規則にワーケーションに関する規定を設ける場合は、別途でその規定を作成する必要があります。
就業規則に、以下のことも定めておく必要があります。

・ワーケーション時の労働時間の把握(特に事業場外労働のみない労働時間制の有無)
・ワーケーションの対象労働者、対象期間、対象地域の制限
・ワーケーションを許可制とするときの申し込み方法、決裁権者
・ワーケーションを取得する単位(1日単位、半日単位、時間単位など)
・ワーケーション時の通信機器、通信費の負担者
・緊急対応時のワーケーションの中止の有無、方法

就業規則に「ワーケーション」の適用を定めた場合、全社員に対して周知する必要があります。

導入するにあたり、適している職種
・向いている職種
⇒ITエンジニア、事務職などのですワーク系、デザイナー、コンサルタント等

・向いていない職種
⇒飲食や販売職などの接客業、製造業・建設業などの現場を担当している職種

向いている職種に関しては、ホワイトカラー系の仕事が多いですが、一方で現場での緊急時に
おける対応が必要な職種には向いていません。

会社という1つの組織にも、部署・役職・課・職種・業務内容等を細分化していくと
仕事内容によっては1部の職種にだけワーケーションを適用させることも可能です。

Ex.アパレル店を展開しているA社
・販売職(店舗での接客)
・経営管理職(売り上げの管理、事業戦略考案)
・デザイナー職(服のデザイン)
・マーケティング職(ターゲットに合う商品の販売考案)
⇒経営管理職とマーケティング職に適用させることが可能

導入時における注意点
次の3点に注意する必要があります。

①労働時間の管理
ワーケーションに限らず、在宅勤務とサテライトオフィス勤務に共通することですが
社内で働くのと異なり労働時間の管理が難しくなります。

社外で働く場合、働いている時間の管理方法として、メールのやりとり・電話対応・
チャットツールでのやりとり・SkypeやZOOMなどの会議システムの利用等が挙げられます。

仮に、電話対応していた時間が法定労働時間を過ぎた場合その分の残業代を支払わなければ
なりません。また、客観的にみて労働時間の管理がわかる方法で労働時間を報告しなければ
なりません(たむレコード、ICカードの利用等)。

➁有給休暇とワーケーションの区分
ワーケーションの導入により、有給を取得しやすくなると述べましたがここで注意する点があります。
「ワーケーションを導入したから、休暇中に仕事させてもいい」と勘違いしてはいけません。

また、ワーケーションによる休暇と有給休暇は、それぞれ別で取得日数をカウントしなければなりません。

③情報漏洩の徹底
社外で仕事している以上、情報の扱い人関して細心の注意をしなければなりません。
セキュリティがしっかりしている社内と比べて、社外で仕事」をするとセキュリティが
整っていません。

特に、会社から支給されるパソコン・タブレットを使用している場合は旅行先で紛失してしまうことが
十分に考えられます。
クライアント情報が入っている場合、管理がおろそかになっていると盗難に遭い、情報が漏洩して
会社の信用を失って契約打ち切りになることも十分にあり得ます。

※旅行先で気を付けること
・パソコンにスクリーンセーバーの設定
・パスワードやIDを付箋・手帳・メモに記入しない
・仕事を終えてどこかに観光する場合持ち込んだまま出かけず、室内の金庫などに保管して鍵をしっかりかける
・仕事終了後に、クライアントのことを一切話さない

観光でつい、気が緩みやすくなりますが在宅勤務とサテライトオフィス以上に気を付けなければ
なりません。
ワーケーションは非常に魅力的な働き方でありますが、導入方法に関して理解を深めて
利用する上でもしっかりと理解する必要があります。

最後になりますが、緊急事態宣言が解除さてれも感染者数が増えてきており
まだ安全に過ごせる状況ではありません。

コロナウイルスが収束するまで、どうにご自愛くださいませ。