パワハラ防止法-どんな行為がパワハラ?-
2019.11.08 労働・雇用関係
みなさま
11月に入り、冷え込む時期になってきましたが
いかがお過ごしでしょうか。
2019年5月に、パワハラ防止法が成立しました。
大企業では2020年6月1日から、中小企業では2022年4月1月からパワハラの防止に
取り組むことが義務づけられました。
■取り組む内容
・相談体制の整備の義務
・被害を相談した従業員に対し解雇など不利益を与えない
法律が施行されるまで、厚生労働省はパワハラの定義と対策の指針を策定しましたが
はっきりと特定するのは難しいことです。
■パワハラの定義を踏まえた上での行為の分類
厚生労働省の指針案によると
「優越的な関係を背景とした言動で、業務上必要かつ相当な範囲を超え、労働者の就業環境が害されるもの」と
定められています。
■パワハラ行為の分類化
・身体的な攻撃(例:物を投げつけて相手をケガさせる)
・精神的な攻撃(例:過度な発言で人格を否定する)
・人間関係から切り離す(例:自分にとって意に沿わない労働者を隔離させる)
・過大な要求(例:仕事上明らかに遂行できないものを押し付ける)
・過小な要求(例:管理職の地位にある者が、ごみ捨てなど誰でもできることをやらされる)
・プライバシーの侵害(例:本人に許可なく、性的指向・性自認や病歴を他人にばらすこと)
■パワハラ行為の断定の難しさによる労働者と使用者の対立
パワハラ行為の分類化において例を挙げましたが
実際にどのような行為が、パワハラに当たるのか断定するのは難しいことです。
使用者が明らかにパワハラに該当する行為だけを主張しても、労働者にとっては感じ方が異なります。
労働者からみれば、パワハラを助長してしまうという風に捉える人もいます。
また、パワハラ被害を受けた本人の主観にも配慮することも求められています。
社員以外で、フリーランスや就職活動中の学生など第3者に対しても対策を取るべきとの声も上がっています。
パワハラ行為の分類化で6つのパターンを紹介しましたが、行為によっては
パワハラに該当しないなどもあります。
2020年6月1日に大企業で取り組むまでにあたり、企業は労使間でパワハラに関する
理解を深めていくことが求められるであろうと思います。
袴田