技能実習制度の厳格化
2019.09.05 労働・雇用関係
こんにちは
8月の日本経済新聞を読んでいると、技能実習制度に関する記事をしばしば見かけるようになりました。
みなさまは、この技能実習制度がどのようなものかご存知でしょうか。
簡潔にいうと、日本国内で外国人労働者を実習生として受け入れる制度です。
実習生として働く外国人の在留期間は最長で5年であり、あらかじめ定めた技能実習計画に
基づき、働きます。
少子高齢化の進展により、人手不足が懸念されている日本にとって外国人労働者は
貴重な人材です。
昨年末時点で、技能実習生の数は32万8360人に達して、増え続けています。
しかしながら、外国人労働者が違法な労働時間など悪質な職場環境で働かされている
問題がおこっています。
外国人労働者を受け入れている事業所のうち、7割超えが違法労働をさせたとして
日本経済新聞で取り上げられていました。
違法な労働時間に加えて、低賃金で働かされていることも事実です。
低賃金で働かされているうえ、賃金の不払いも目立っております。
賃金未払いによって、失踪する外国人労働者が増えています。
その数は2014年の約4800人に対し、18年には約9000人と増えています。
また、外国人労働者が業務中にケガをしても労災申請を行わない事業所が増えています。
こうした外国人労働者が劣悪な労働環境で働かされている現状をうけて、政府は技能実習制度の
運用を厳格化していく方針を決めました。
・預貯金口座への報酬支払いを企業に義務付ける。
・外国人実習生を雇い入れている企業への立ち入り検査の強化。
・外国人実習生に対し、直接労働環境をヒアリングする。
今年の4月より改正出入国管理法が施行され、新たな在留資格「特定技能」も導入されました。
全業種で人手不足が懸念されている中で、外国人労働者にとって働きやすい環境を
整っていくことが今後の課題となってくると思います。
汐留社会保険労務士法人 袴田