~知らなかったばかりに従業員から労基法違反と言われないように~
2019.09.02 労働・雇用関係
アルバイト・パートも年次有給休暇がとれます!
経営者の中にはアルバイトに有給休暇はないと勘違いされ、
とつぜん従業員から有給を取得したいと言われ戸惑った方もいらっしゃると思います。
有給休暇、正式名称「年次有給休暇」は正社員だけがとれるものではなく
雇用形態にかかわらずアルバイト・パート従業員もとることができます。
出勤率が80%以上の従業員が入社後6カ月を経過した日から有給休暇の権利は発生します。
その後1年を経過するごとに勤続年数に応じた日数を与えなければなりません。
『何日有給休暇を与えればいいの?』
1週間の労働日が正社員より少ない時は
1週間の労働日数が決まっていない時は
パートアルバイトの年次有給休暇の日数
1週間の所定労働日数が決まっている時は・・・・・週所定労働日数
1週間の所定労働日数が決まっていない時は・・・・1年間の所定労働日数
『有給休暇を取得したときの賃金は?』
経営者の方でアルバイトが有給休暇を取得したとき賃金を支払うことがピンとこない方がいらっしゃいます。
有給休暇は読んで字のごとく給与が有る休暇のことですので賃金を支払います。
賃金の決め方ですが
①平均賃金
②通常の賃金
③標準報酬日額(健康保険法)
よくあるアルバイト・パート年次有給休暇Q&A
Q業務の忙しい時に年次有給申請をしていた従業員がいます。休まれると困るのですが。
A年次有給休暇は従業員が取得したい日を希望すれば与えなければなりませんが、繁忙期などで「事業の正常な運転を妨げる場合」は別の日に取得するように求めることができます。
これを「時季変更権」といます。
この、時季変更権ですが、退職日の決まっている従業員から繁忙期に「残っている有給を使いたい」と言われた時、退職日が決まっているために、変更をする日が無いとき時季変更権が使えないので、従業員が希望する日の年次有給休暇を与えなければなりません。
業務に支障がでるために会社としては出来れば勤務をしてほしいときは、従業員に退職日の変更をしてもらえるよう交渉をされるのがよいでしょう。
Qシフト制でなかなか年次有給休暇を取得することができない。
Aシフト制で運用しているとなかなか年次有給休暇を取得できないことがあります。
シフトが決まってから年次有給休暇の申請をすると従業員は周りのみんなに迷惑をかけてしまうのでなかなか取りづらく、会社としても代わりにシフトに入ってくれる人を探さなくてはならないので積極的に年次有給休暇を取得するようにすすめにくくなります。では、どうすればよいでしょうか。そのような時は申請方法を工夫されるとよいでしょう。
例えば、シフトが決まってからの年次有給休暇の申請だと取得がしにくいので
勤務スケジュールを決めるまえに年次有給休暇の申請を行うようにするのはいかがでしょうか。月ごとのシフトだと1ヶ月前、週ごとだと1週間前に届出るようにすれば
年次有給休暇を取得しやすくなり従業員から「有給が取れにくい」という不満も出にくくなると思います。
Q従業員から「有給を買い取ってほしい」といわれました、買い取っていいのでしょうか?
Aそれは違法です。年次有給休暇の目的は心身の疲労を回復しゆとりある生活を保障するために付与される休暇のことで買い取ることは年次有給休暇の主旨に反します。
ただし、退職時など限られたときは年次有給休暇の買い取りは認められています。
働き方改革で2019年4月より10日以上の年次有給休暇が付与される従業員に最低でも
年5日以上取得させることが義務となりました。
アルバイト・パート従業員も同様ですので、アルバイト・パートの年次有給休暇の日数も把握しておきましょう。
Kunimoto