特定支出控除について

皆さん、こんにちは。

今年も残すところ1ヶ月半となりましたが、急な寒さから体調などは崩されていないでしょうか?
この時期になると、年末調整や確定申告のお問い合わせが多くなりますが、
確定申告で控除できる「特定支出控除」はご存知でしょうか?
特定支出控除とは、特定の支出をし、その額が収入に応じた基準額を超えた場合に、その超えた金額を経費としてさらに控除できる制度です。
どういったものが特定支出になるかというと、通勤の為の新幹線の定期代や職務に必要な資格を取得する為に掛かった費用、転勤による引越しの費用などが対象となります。
例えば、新幹線通勤についてですが、そもそも新幹線通勤なんてリッチな人がいるの?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、バブル絶頂期、会社の福利厚生の一環として新幹線定期制度なるものがあった時代と比べると、減少傾向にあると言われていますが、それでも地方自治体による企業誘致、田舎暮らしを希望する人や待機児童問題から地方に移住する人が増えた事に加え、フレックスタイムを導入する企業も増えた事や車内にコンセント・無線LANの整備が進み、移動時間中にもパソコンを使って仕事ができる環境が整ってきた事で、朝・夕の時間帯の自由席には通勤と思われる方が多く見られます。
実際の控除はというと、年収500万円の方なら給与所得控除は154万円になりますが、その1/2を超えた分が特定支出控除の基準額となります。
1ヶ月定期を東京~静岡間で購入した場合、定期代は約13万円となります。会社の交通費上限が5万円だった場合、8万円が自己負担額となり、1年間で96万円となりますが、その96万円から基準額の77万円(154万円×1/2)を引いた19万円が給与所得控除とは別に経費として控除する事ができます。

特定支出控除を受けるためには、確定申告の際、会社からの証明書を添付する必要があります。
また、領収証等も添付する必要がありますので、新幹線定期なら、定期代購入時の領収書は大切に保管しておかなければなりません。

特定支出控除に当ると思われる方は、会社の総務や人事の方にご相談してみては如何でしょうか?

小宮山