「ねんきん特別便」のその後
2009.08.28 各種年金関係
ほとんどの方が「ねんきん特別便」を受け取っているかと思います。社会保険庁は「宙に浮いた」年金記録の持ち主を特定するためにこれを送付しました。2008年3月までに記録漏れの被害者と思われる1,030万人に送った「名寄せ便」と、2008年4月から10月末までに残りのすべての受給者・加入者9,843万人に送った「全員便」の2種類があります。送付後の状況はどうなっているのでしょうか?
社会保険庁によると「名寄せ便」に対して回答を寄せたのは、昨年末時点で31%(316万人)、「全員便」では47%(4,615万人)です。また278万通が送付先の転居などの理由で届いていないそうでうす。
記録漏れを見つけた場合、証拠をもとに社会保険事務所に申し出れば、記録の修正がなされます。明確な証拠がなければ、総務省の「年金記録確認第三者委員会」に申し出て、記録回復の可否に関する審査を受けることができます。
年金受給者にとっては、社会保険事務所や第三者委員会で記録回復を認める決定が下されても、実際に年金が支給されるまでには時間がかかります。記録訂正が認められれば「再裁定」と呼ばれる実際の年金額を計算する作業に移行しますが、再裁定の事務処理を担う社会保険業務センターの人手不足による未処理件数も多いようで、問題の1つとなっています。
昨年から、社会保険庁職員による厚生年金の標準報酬月額の改ざんなど年金記録に関するずさんな管理が発覚し、「年金記録問題」は解決どころか国民からの不信感が強くなっています。送付された年金記録の通知書を今一度確認し、不明点は社会保険事務所に問い合わせるなど、自分の年金は自分で守らなければなりません。