労働相談①

 先日、社会保険労務士が集まる勉強会で講師をしました。50名ほどの社労士が集まってくださり、私の労働基準監督署で働いていた経験についてお話させていただきました。

 例えば会社に突然解雇された、多額の残業代を支払ってもらえない、セクハラ・パワハラ被害等を会社が解決してくれないなど、会社の対応に納得できない場合どうしますか?そのような場合に、労働基準監督署に労働者のための相談窓口があります。

 労働基準監督署は全国に320箇所あり、雇用問題に関する労働者からの相談や申告を受け付け、それをもとに調査を行い、法律違反が判明すれば企業に是正勧告が行われます。

 昨今、雇用情勢が悪化している中で労働基準監督署に不服を申し立てる労働者件数が増加しています。特に不当な解雇や賃金不払いなどを不満とするケースが多く見られています。私が労働基準監督署で労働問題対応監視員をしている際も、この種の相談が一番多いです。

 なんと2008年の申し立て件数は39,384件となり、前年比11%増となりました。不況による情勢が反映されていますね。2009年度はもっと増加すると思われます。

 企業側からすれば、やむなく労働条件の引き下げや希望退職者の募集、解雇など雇用調整を行わなければならない場合があります。このような対応を行う場合は法律で定められている手続き、労使間で定めた必要な手続きなどを遵守し、事前に労使間での話し合いや労働者への説明を行うことが必要不可欠です。企業が適切な対応を怠ったために、労働者が労働基準監督署に相談をするケースが多いようです。

汐留社会保険労務士事務所では企業に対して、後々労使トラブルに発展しないよう、知識や経験に基づき、事前相談や代行を承っております。労働基準監督署での労働問題対応監視員として労働者の相談対応の経験もございますので、企業と労働者双方の側の視点で、円満でベストな解決方法を導き出します。

 次回は労使トラブルについて、労働者が企業に対して行うステップと企業側の対応策についてお話しさせていただきます。