うまく使おう 雇用安定助成金

 最近は不況のニュースばかりで暗い気持ちになりがちです。景気の変動や資源価格の高騰等により、売り上げ前年比割れ、生産量減少等、企業収益の悪化に四苦八苦されている企業も多いのではないでしょうか。そこで今回は事業活動の縮小をやむなく行わなければならない、または現在検討しているという企業の方向けに雇用調整助成金・中小企業緊急安定助成金についてご案内します。

 この助成金は雇用する労働者を対象に休業や出向を実施する事業主に対して、手当てや賃金一部の負担を助成する制度です。中小企業の場合は休業手当て又は厚生労働省が定めた賃金相当額として算定された額の5分の4、また休業中に教育訓練を対象者に行う場合は1人1日6000円が支給されます。

 条件は主に売上高か生産量などの最近3ヶ月間の月平均値がその直前3ヶ月か前年同期に比べ5%以上減少していることです。

 この制度は2008年12月から実施されていますが、制限が緩和されてきています。例えば以前は教育訓練費は1人1200円でしたし、支給限度日数も1年200日と設定されていましたが現在は撤廃されています。また助成率もUPしています。徐々に申請しやすい制度になってきています。

 支給するためには事前計画と申請書提出が必要です。弊事務所にもこの助成金についての問い合わせが多くなりました。特に製造業では生産ストップが予想されるが、事業が安定すると予想される半年後、1年後を考えると、貴重な人材雇用を継続していきたいと考える企業も多いのではないでしょうか。事業縮小により解雇をしたが、1年後人材が不足したため、再度の人材採用や育成は企業側の時間と経費ロスになる可能性があります。

 不景気時には国も企業に対するさまざまな支援策を打ち出してきます。企業の皆さん、活用できるものはうまく活用しましょう。