こんにちは。
「働き方改革」
最近はこの言葉を皆様もよく耳にすることかと思います。
政府が掲げたものとして、長時間労働の上限規制導入や有給5日取得の義務化等、様々な取組みがありますが、今回はその中の「同一労働同一賃金」について触れたいと思います。
「同一労働同一賃金」とは、正規雇用者と非正規雇用者の間の不合理な待遇差の解消をはかるために、正規・非正規といった雇用形態に関わらず、職務内容に応じた対価・待遇を決め(均等待遇)、職務内容が異なる場合は、その違いに応じてバランスのとれた対価・待遇(均衡待遇)を決めましょうという制度です。
関連する事例として、今年に入ってから高裁判決でアルバイトへの賞与不支給が問題になったものがありますので、簡単にご紹介します。
この例は、時給制のアルバイトとして働いていた人が、正社員同様の仕事内容を行っていたにも関わらず、賞与をはじめとする労働条件に差異があることが違法であると提訴し、結果としてアルバイトへの賞与不支給は不合理であるとされたものです。
(実際には夏季休暇、休職中の賃金についての格差についても不合理とされましたが、ここでは割愛します。)
上記のケースにおいて、正規雇用者へ支払っていた賞与は基本給だけに連動したものとなっており、個人・会社の成績に連動するものではありませんでした。
そのことを踏まえると、賞与は「算定期間に就労していたこと」それ自体への対価であると判断されました。
つまり「賞与算定期間に就労していた」ことは正規雇用者であろうとアルバイトであろうと変わりがないため、「アルバイトであっても支給要件を満たすので賞与が支払われるべき」ということになります。
「雇用形態の違うアルバイトだから」という理由だけで不支給になるのは不合理であるとされたことは、「仕事内容が同じであれば雇用形態に関わらず、業務内容に応じた対価・待遇を決める」という同一労働同一賃金の考えが反映されているものとなりました。
この制度は大企業では2020年4月から、中小企業などでは2021年4月から適用されますが、準備は整っていますでしょうか。
今回ご紹介した賞与だけではなく、給与や福利厚生についても均等・均衡待遇が求められる対象になりますので、今一度会社の制度をご確認頂き、疑問や悩みがありましたら弊社までお問い合せください。
山口